2024/09/06 18:35

最近、万々新商品を出していますが、中でも力作なのが「桜舞い散るクリップ栞(しおり)」
板を切りぬいただけに見えますが、これが結構難しいんです。他社のは固い雑木を使ったり、突板(薄い板)で挟んで割れを防止したりしてます。しかし、吉野の樹匠としては何としてもこれを吉野杉、吉野ヒノキ100%で作りたい!! そう思い、とりあえず作ってみたら、簡単にしおりができました笑。まあ、しおりは本のページ(1枚)に挟んで落ちなければ成功、なのですが、大変なのはここから。クリップにも使えるはずと思い紙をまとめてはさむと割れるんです。下の写真は板目という木目で30枚くらい挟んだら割れましたが、特に杉の柾目(まっすぐな木目)の板は20枚程度でパキパキ折れます。

なぜ割れるのか考えたところ、以下のように置くまで突っ込むとひずみが大きく割れます。

でもね、筋があったら奥まで突っ込みたくなるのが人のサガ。筋を短くしたところで同じだしどうしようと考え行き着いたのが以下、右側の構造。こうすると必然的に手前で止まり、かつ板は奥のほうからしなるので負荷が少なくなります。

たったこれだけのことですが、奥まで突っ込めなくなり飛躍的に割れにくくなりました。ついでに吉野山の桜にちなんで形も桜の花びらみたいにしました。実際コピー用紙20枚くらいは余裕なのですが、木目による個体差もあるので商品の仕様としては10枚までとしてあります。これにより、杉、ヒノキを使って補強をせずワンストップ製造できるようになり価格もぐっと抑えられました(他社製品の半額程度です)。特許出願しようかしら笑。

 樹種のレーザー彫刻も入って5枚660円は吉野のお土産としても、日用品としてもリーズナブルかと。ぜひご検討を!